DiD Risk Monitor(ディーアイディー リスクモニター)は、計算機シミュレーションを使って次のような状況を事前に分析・調査するシステムです。
- 人々が、自然災害や大きな事故の時のような緊急事態に適切に対応できるのかどうか
- 人々が、適切かつ適時に他の人々と連係することができるのかどうか
- 人々は、それぞれのマニュアルを理解できるのかどうか、マニュアルをつかって行動ができるかどうか
- これらのマニュアルやチームワークの潜在的な問題点
計算機シミュレーションとは?
言い換えれば、コンピューター内に事故現場という舞台を用意し、事故に係る様々な人々を演じる役者(アクター)がこの舞台上に登場し、それぞれの台本(シナリオ)にしたがって、役を演じてゆきます。
このお芝居を見ることで、それぞれの人々が限られた時間の中で、与えられた資源(車などの移動手段や、電話や無線といった通信手段、工具や機械など)を使って、無事乗り切れることができるのか、連係は上手く行っているか、台本の内容は十分なのかを調べてゆきます。
このような計算機シミュレーションのことを、DiD Risk Monitorでは、相互作用シミュレーションと呼びます。
避難訓練や実地訓練との関係は?
実際に事故に対応する人々が集まって、事故を想定した避難訓練や実地訓練をすることは、それぞれの人々が与えられた役割を改めて理解したり、実際にやってみてわかる問題点を発見できることから極めて有効です。しかし、このような実際に行う訓練は、実際の事故と同じ程度の時間が必要であること、多くの人が参加しなければ効果が少ないこと、実際の設備や交通機関を訓練のために停止するといった社会的な影響が小さくないこと等から、訓練で発見した問題を修正しその効果を確認するため、または、事故発生時の時間や天候などの条件を様々検討するために、何度も繰り返し行うことが現実的にできません。
DiD Risk Monitorは、このような実際の訓練を行う前の段階で、様々な条件を検討したり、発見した問題を修正して、シナリオのレベルを上げてゆく過程に活用すること、そして、最後の仕上げとして実地の訓練を行うことが望ましいと考えます。