相互作用シミュレーションの結果は、下図のようなシーケンス図という形式で記録されます。
このシーケンス図では、シミュレーションに登場するアクターが横に並び、時間の流れが上下方向で表現されています。
各アクター間を結ぶ横方向の矢印が、あるアクターから別のアクターへの指示や報告、操作などのアクター間のやり取りを表します。
アクターが行う作業は、状態遷移図の1つの状態で表される1つの行為が、赤い箱で示されます。5つのステップの手順ならば、5つの赤い箱が縦に並びます。
決められた時間までに指定された状態になった場合、チェックポイント達成としてグリーンで表示されます。
一つのアクターに、複数のラインがあるのは、複数のチームで並行作業をしていることを表します。
赤い箱の中には、いくつか別の色のラインが記録されている部分があります。
紫色のラインを持つ赤い箱は、それが移動であることを表しています。
黄色のラインを持つ赤い箱は、他のアクターから伝達を受けていることを表します。通常、伝達を受けると、新たな作業をするための人員確保が行われます。
その後、人員確保ができれば、その作業が開始されるので、赤い箱が黄色ラインの下に並ぶことになります。しかし、人員が不足して、その人員確保ができない場合には、新たな作業は、人員が確保されるまで保留されることになります。この保留されている手順がある期間は緑色のラインで表します。
一方、複数のチームが、連係して何か作業をする場合、それぞれのチームが相手側の準備を待つ場合があります。このような連携時の待合せ中の場合には、青ラインで表現されます。
このように、相互作用シミュレーションの結果は、シーケンス図で表現されます。
シーケンス図を分析することで、様々な相互作用の問題点を発見することができます。
例えば、シミュレーションが最後まで上手くいかない場合は、あるアクターが別のアクターに指示を出し忘れている場合や、指示が出ていても、それをうけるアクターが指示を受ける手順を抜かしている場合など、アクター間の連係が上手くいっていないとなります。この原因は、当初からシナリオにそのような記載がない場合(シナリオの情報不足)や、シナリオにかかれていてもそれを理解していない場合(シナリオの理解不足)があります。それらを分析して、シナリオの精緻化や、シナリオの理解不足の気づきにつなげてゆきます。
また、シミュレーションが想定どおりできたとしても、一定の時間内に作業ができたか、人員の不足によって長期間、保留されている手順はないか、連係して作業するための待合せが長時間に渡っていないか、などの様々な視点で、相互作用を分析してゆき、シナリオデータそのもの、あるいは、シナリオの理解不足、リソースの不足や、連係の良し悪しを見つけてゆきます。