システム開発の分野で注目され成功を収めている表記方法です。1997年にオブジェクト指向分析設計の研究者であったGrady Booch, James Rumbaugh, Ivar Jacobonにより1994-95年から開発が開始され1997年にVer.1.0として発表されました。
システム開発を注文する顧客、システムを設計、実装、試験、保守を行う、設計者、プログラマ、テスター、メンテナンス担当者等、システム開発に携わる人々は、対象システムに対して、お互いに円滑にコミュニケーションを行い、そのシステムを正しく理解しなければなりません。そのためには、例えば電子回路図のような対象を理解するための標準的な表記法が必要ですが、UML登場までは、システム開発の分野で成功した表記法はありませんでした。
UML*1は、現在、ソフトウェア業界の事実上の標準となっています。
UML Ver.2.0では、システムを様々な側面から図的に表現するために、システムの静的な構造を示す構造図が7つと、動的な振る舞いを示す振る舞い図が6つの合計13のダイアグラムを提供しています。なお、UMLのユーザは、13のダイアグラム全てを使う必要はなく、必要に応じて選択し、組み合わせて使うことになります。
DiD Risk Monitorでは、アクターの振る舞いを表現するために、このUMLの振る舞い図の一つである、状態遷移図を採用しています。
UMLの状態遷移図は、1987年にDevid Harelによって開発された状態遷移図から派生したものです。
また、アクター間のやり取りによって再現される相互作用シミュレーションの結果は、同じく、振る舞い図の一つであるシーケンス図で表現しています。
シーケンス図は、相互作用するアクター間のメッセージの受け渡しを、発生時間順に並べる表現方法です。
*1:Grady Booth, James Rumbaugh and Ivan Jacobson, The Unified Modeling Language User Guide Second Edition, Addison Wesley Professional, 2005
*2: D. Harel, Statecharts: A visual formalism for complex systems. Science of Computer Programming, 8(3):231–274, June 2002.
FYI: http://www.uml.org