人間信頼性解析 (Human Reliability Analysis)


ある機械を動作させたとき、その機械に求められる機能を実現できない可能性(故障する確率)は、その機械を構成する個々の部品やサブシステムの故障率を算出し、これを組み合わせて計算することができます。

この考え方を人間がエラーをおかしてしまう確率の計算に適用しようとする手法が人間信頼性解析です。

一連の操作から構成されるタスクを失敗してしまう確率を計算する場合、そのタスクを基本的なタスクの組み合わせとして考えます。代表的な手法であるTHERP(Technique for Human Error Rate Prediction *1)では、基本的なタスクのエラー確率(HEP, Human Error Probability)と、その時の作業環境や与えられたプレッシャなど行動に影響を与える様々な要因(PSF:Performance Shaping Factors)を考慮して、その基本タスクに最終的に与えるエラー確率を得るために、HEPを中心に調整してよい範囲(EF:Error Factor)を定めています。

例えば、表1の項目2のように、EFが10であれば、実際に作業を行う際のPSFを考慮して、HEPの値を1/10〜10倍にして、その行為に対する最終的なエラー確率を求めます。

 

THERP-TableJ

 

 

*1 A. D. Swain, H. E. Guttmann: Handbook of human reliability analysis with emphasis on nuclear power plant applications, NUREG/CR-1278, 1983

*2 上記*1に掲載のTable 20-9の一部を抜粋し日本語訳を行った